熊野古道レポート>熊野古道(中辺路)発心門王子〜熊野本宮大社

熊野古道(中辺路)発心門王子〜熊野本宮大社
様々な想いを心に難行の長旅を終え、ついに辿り着く感動の場面を味わってみよう!

行程約7q(3時間前後)

※※※ 当レポートの内容は掲載時のものであることご了承のうえご利用下さい。 ※※※

「見晴台地(ちょっとより道)」からの眺め平安期には、多くの上皇・貴族が訪れた「熊野詣(くまのもうで)」のメインルート「紀伊路(きいぢ)」〜「中辺路(なかへち)」沿線には「熊野九十九王子」と呼ばれる小さな社跡が残っています。

これは、熊野権現(熊野の神様)の子神を祀る社跡で、今も熊野古道の「見どころ」「通過ポイント」として親しまれています。

とりわけ格式が高いと言われている「五体王子」の1つ「発心門王子(ほっしんもんおうじ)」〜「熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)」までは、約7q(2〜3時間)
そのほとんどがゆるやかな下り道で、比較的歩きやすく、里山の雰囲気と森の空気が気持ち良い初心者向けコースとして人気を呼んでいます。

多くの旅人が苦難の行程を終えて、目的地「熊野本宮大社」にようやく辿り着いた最終場面の感動を、ぜひ堪能して下さい。


コース概要
現在、町営の住民べんりバス(一回の乗車料金200円)」伏拝王子・発心門王子線(熊野本宮大社前〜発心門王子)を朝1便(毎日)運行しています。(H16.10.1改正)
※ 龍神バス朝2便(毎日)も、発心門王子まで(450円)乗り入れになっています。(H17.5.6改正)
熊野本宮大社前 バス停

8:13発、11:19発(龍神バス)、9:30発(住民べんりバス)

  ※龍神バス臨時便(3/19〜9/30)13:22発
↓バス利用約20分
発心門王子(ほっしんもんおうじ) バス停
↓徒歩約30分
水呑王子(みずのみおうじ)
↓徒歩約40分
伏拝王子(ふしおがみおうじ)
↓徒歩約60分
祓戸王子(はらいどおうじ)
↓徒歩約3分
熊野本宮大社


●発心門(ほっしんもん)王子へ
熊野本宮大社前バス停がスタートです。町営の住民べんりバス(土曜、日曜のみ)か、龍神バスの路線バスを利用して「発心門王子バス停」で下車しましょう。。
バスを降りるとそこはもう熊野古道の世界です。

発心門王子「菩提心を発す門」という意味を持つこの場所、以前は大鳥居が建っていたそうです。

文字どおり聖域熊野本宮の入口なのです。

今は舗装された生活道路となっている熊野古道ですが、ひっそりと静かな木立に覆われた王子跡には古の雰囲気が漂っています。

この先、2〜3時間の路程となります。

ここで身支度を整え、心を鎮められることをお奨めします。準備体操もお忘れなく。

イチイガシの木 イチイガシの説明
本宮の町木である大きなイチイガシが発心門王子にも根を降ろしている。
NHKドラマ「ほんまもん」ロケ地看板 山太郎の木(杉)
王子下側の杉の木付近が、藤原定家が門柱に歌を書き留めたという南無房(尼僧)宅跡地。
●水呑王子(みずのみおうじ)へ
古道沿い里山の風景案内標識に従って発心門王子を出発します。

しばらくの間、熊野古道は舗装された生活道となっています。

道沿いは、懐かしい田舎の里山風景です。

途中で道が二又に分かれています。
案内標識に従って右の道を進みます。

ホンシャクナゲの説明 ホンシャクナゲの木
古道沿いには、多くのスギ、ヒノキが植林されていますが本来、熊野の森は緑豊かな照葉樹林を特徴とします。種々の草木を観察することも楽しみの一つです。
ツガの木 ツガの説明
無人販売所道沿いに無人販売所があり、木彫りのお面や置物などが置かれていました。

お奨めは、紀州杉に焼き目を施した手作りの杖(300円)です。

「古道杖」と名付けられていました。

曲がりくねった形がおもしろい上等品のシャクナゲ製の杖もありました。

山道歩きでは杖がとても重宝しますよ。

からくり案山子おどし 歯痛のお地蔵様
水流で動くからくり案山子(かかし)おどしや、歯痛に効くと伝わるお地蔵様が道中を楽しませてくれる。
水呑王子社跡
「水呑王子社跡」は、三里小学校三越分校の敷地でしたが、昭和48年に本校に統合されました。

学校施設にはリゾート開発の痕跡が残っていますが、今は利用されていません。

もとは「内飲水」といわれ平安末期に新しく祀られた王子だそうです。

今も水を飲むことが出来ます。


●伏拝王子(ふしおがみおうじ)へ
水呑王子付近の古道水呑王子社跡から先は、いよいよ森の中へと進みます。

ここは大半が植林された若杉林ですが、見通し良く間伐(かんばつ)されているので、とても気持ち良く歩けるなだらかなコースです。

足裏で感じる落ち葉の不思議な感触や、梢から漏れる日の光、神聖な霊気が漂う森の空気を存分に味わって下さい。

熊野古道の標柱 藁を纏ったお地蔵様
この古道沿いには、500m毎に木製の標柱(写真左)が立っています。滝尻王子(中辺路町)を起点に、終点の本宮大社まで通し番号がついていますので、何かと便利です。
無料休憩所 何の風車かな?
古道の森を下り抜けると、伏拝(ふしおがみ)地区です。再び、生活道路を歩きます。
無料の休憩小屋がありました。美味しそうな椎茸があったので買いました。(旨かった!)
何に利用しているのか?不思議な風車がありました。
古井戸 美しい山
菊水井戸と呼ばれる古井戸には今でも水が湧いています。
三越川の向こうに綺麗に形が整った山が見えます。 地元の人は、三里富士(みさとふじ)と呼んでいるそうです。
伏拝王子入口

伏拝は、熊野古道の「伝馬所」があった里として栄えたそうです。

(その前の伝馬所は、継桜王子のある中辺路町「野中」の里)


標識に従って伏拝の丘を登って行くと、伏拝王子(ふしおがみおうじ)の入口へ辿り着きます。

和泉式部供養塔 伏拝王子社跡の石祠
和泉式部供養塔               伏拝王子社跡の石祠
伏拝王子社跡から望む本宮大斎原
見通しの良い丘上の「伏拝王子社跡」からは、熊野本宮大社旧社地の「大斎原」を遠く望むことができます。
谷間に白く見える所です。→→

苦難の末、ようやく目的地を望むことができる所にたどり着いた喜びに、多くの旅人がひれ伏して拝んだと伝わる場所です。

和泉式部がここへ来て月経が始まり、身の汚れを案じ嘆いたところ、熊野神が夢枕に現れ、参詣を受け入れたという逸話は、貴賤男女の別も問わなかったという熊野信仰を物語っています。

伏拝王子付近丘上から熊野川を望む 伏拝王子付近丘上の茶畑
NHKドラマ「ほんまもん」のロケが行われたこの場所は、茶畑が広がり、熊野川の流れが眺望できます。

●祓戸王子(はらいどおうじ)へ
伏拝王子付近の古道

伏拝の里を出ると再び森に入ります。

ここからは、ほとんど下り坂です。

暫く鬱蒼とした林の中を歩きます。

古道では道の傾斜が急な部分に石畳を敷設して浸食を防いでいたそうです。

柏手ポイント 石畳が残る古道
道中に、手を打つと0.6秒後にその音が返って来るという「柏手ポイント」がありました。ぜひ、お試しを!
三軒茶屋跡


町道を横切る橋を渡ると三軒茶屋跡地に出ます。

トイレ付の休憩所が整備されています。(写真右)

ここは高野山が起点の熊野古道「小辺路」との合流点で、「右かうや(高野)、左きみい寺」と記された古い標石が建っています。(写真左下)

標石 関所の門
休憩所の前に、関所の門が模造されています。(本当の九鬼ヶ口関所は、この場所ではなかったそうです。)

見晴台地への測道入口 ちょっとより道
見晴台地

三軒茶屋跡地の少し先に見晴台地への寄り道コースがあります。

少し坂を登りますが、整備された高台からは目指す本宮大斎原の大鳥居を見ることができますよ。(このページ頭の写真です。)

和歌山の朝日・夕陽100選」にも選ばれているお奨めポイントです。

古道の石畳

見晴台地から別のルートを通って少し先の古道に戻れます。


そこから古道の森を下りきると、ついに熊野本宮大社裏手の住宅地(祓戸団地)に出てきます。
祓戸王子

団地を通り過ぎると、大社のすぐ近くに祓戸王子(はらいどおうじ)があります。

石祠のまわりは杉やイチイガシで囲まれています。

長旅のホコリなどをここで祓ったのでしょうか。

本宮大社は、もう目の前です!


●熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)へ
熊野本宮大社拝殿 熊野本宮大社神門
大社境内には、裏手の門から入場することができます。拝殿、神門前には、お守りなどの販売所があります。
熊野本宮大社証誠殿
熊野本宮大社は、全国に約3千社ある熊野神社の総本社で、主神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)をはじめ、熊野十二所権現(十二の神様)を祀っています。
証誠殿(しょうじょうでん)と呼ばれる第三殿に主神を祀っておりますので、ここ本宮をお参りする際は、正面の第三殿から始め、一→二→四と進むのが正しい順だそうです。(写真中央)
本社社殿敷地内に植樹された梅の木
もともと本宮大社の境内は、大斎原(おおゆのはら)と呼ばれる熊野川と音無川の中州にありましたが、明治22年の洪水大被害のため、現在地に移りました。

本社3棟(上四社)の社殿は、被害を免れて移築されたものです。洪水で流出してしまった中四社、下四社は、今も旧社地大斎原の石祠に祭られています。

今回のレポートはここまでですが、熊野権現が現れたと伝わるその場所は、本社石段を下りて約500m先です。旧社地入口には日本一の大鳥居が築造されています。是非散策して神聖な霊気を感じてみて下さい。


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