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南紀熊野だより・東 2000年 第5号 (10月3日)


子ガメの放流

 「新宮市ウミガメを保護する会」(会長 速水政夫 氏)では、このほど新宮市内の保育園(所)や幼稚園の子どもたちがウミガメの放流を行いました。これは、ウミガメの保護と、子どもたちが動物愛護、自然愛護の心を養うことを目的として行っています。
 新宮市大浜海岸では、6月9日の初上陸を確認した後、7月27日までに12回の上陸、9回の産卵が確認され927個の卵をふ化場に移され、747匹がふ化したものです。
 産卵の場所は、上陸する時期によってカメたちがそれぞれ気象条件等をきっちり把握している様子で、今後産卵場所の位置などきちんと調査し、関連付けを研究してみるのも必要ではないかと同会では考えているそうです。


アカウミガメの生態

 頭部、特に頭幅が甲幅に比べて大きく、全体にがっちりした印象で、成体は褐色又は赤褐色。日本に上陸するメスの甲長は90cm前後のものが多い。新宮市の大浜海岸やこの辺りに上陸するのはこのアカウミガメです。

アカウミガメの産卵

 アカウミガメは、産卵のために静かな闇ときれいな砂浜を求めて、毎年同じ場所に帰ってくると考えられています。その行動を見ると、子孫を残すために私たちの想像を越えた、長い進化の歴史の中で磨き上げられた無駄のない特有の行動といえます。

(1)上陸から穴を掘り始めるまで 平均時間30分
(2)穴掘り開始から終了まで 平均時間25分
(3)産卵 平均時間20分
(4)巣穴の埋め戻し 平均時間20分
(5)穴から海に戻るまで 平均時間10分


亀の“なみだ”

 産卵中のウミガメは、涙を流しているように見えます。正確にいうとこれは涙ではないのです。海とかかわりを持って生活しているウミガメ類やカモメなどの海鳥類は、知らないうちに餌といっしょに海水を少しずつ飲み込んでいるのです。このため、体の中に取り込んだ海水を何らかの方法で体外に排出しておかないと、過剰な海水成分のためにやがて死んでしまいます。そのため飲み込んだ海水の塩類をまとめて排出する器官(塩類腺)が必要となりますが、ウミガメの場合たまたま目の上にあるのです。目から涙のようにあふれ出た体液は、濃縮された塩類なのです。これは、海中でも常に出ています。産卵のため上陸してきたとき、私たちには涙のように見えるのです。


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